イラク戦争から10年 新生児に異変 その原因は?
高遠菜穂子さんはファルージャ総合病院に一か月間寝泊りして調査した
ファルージャ総合病院のサミラ・アラーニ医師(小児科)によると
2009年以降の統計で三年半の間に1000人以上の先天異常の新生児が生まれた
発症率は約14.4%
先天異常の子が生まれた25の家族の毛髪を調査
全ての家族から化学汚染物質が検出
濃縮ウラン
WHOも去年からイラク保健省と合同で調査に乗り出している
日下部正樹氏は、
「ファルージャの戦闘については、当時私は国際ニュースの
デスクをやってたんで鮮明に覚えているんですけれども、
とにかく街を完全に包囲しての、いわば殲滅戦だったんですね。
メディアもシャットアウトされたから
実際にそこで何が起きたのかよく分からない部分が多い」
金平茂紀氏は、最後にこう締め括っている。
「高遠さん、人質事件が彼女の人生を変えたと思うんですよ。
それにもかかわらずずっと繋がり続けているのは、
僕は敬意を表したいと思います」
WHOも調査に乗り出したと聞いていたので、期待していたのだが、
イラク保健省と合同と聞いて、かなり不安になってしまった。
イラク保健省を現在はどの宗派が握っているのかは知らないが、
フセイン政権崩壊後、一貫してシーア派が握ってきた。
それもサドル派が握ってきた。
イラク政府はシーア派主導の政権であり、
スンニ派の影響力が大きくなってきたとは思えないし、
ますます、その逆、つまりシーア派主導政権と
スンニ派との角逐が激しくなっているように思える。
2010年にバズビー博士が初めてファルージャの現地調査を行った際、
イラク政府は国営放送を通じて調査に協力しないようにと放送さえしたのだから。
現地ジャーナリストは、ファルージャのあるアンバール州の
保健衛生局とファルージャ総合病院に
イラク中央政府の保健省から公式文書が通達されており、その内容は、
出生異常に関連する医師のどんな発言も禁止するというものだといいます。
それは米軍がイラク政府の保健省に圧力を掛けているからだと。
SBSの取材班はバグダッドに戻り、保健省に取材を申し込みますが、
拒絶されます。
ファルージャでの“先天異常”については、
スカイ・ニュース、ガーディアン、BBCなどが、ファルージャ総合病院を訪れ、
そこでのショッキングな映像や、ファルージャ総合病院の医師の証言を紹介して
ました。
であればこそ、ファルージャ現地での実態の調査こそが必要だったのです。
それがなかなか実現しなかったことは、現地での治安の問題と、
シーア派主導政権・米軍にとっては、気の進まないことだったから
なのではないかと推測しています。
現にバスビー教授の調査チームに対しても有象無象の“妨害”があったようです。
スカイ・ニュース、ガーディアン、BBCなどが次々と取り上げるので、
無視し続けることが困難になり、
WHOまでが現地調査を決定したことにより、
やっと事態が動き出したということなのだと私は解釈しています。
更には、イラクで劣化ウラン弾に関する国際会議が提案されていることで、
一歩一歩事態が進展してきていると思っています。
高遠菜穂子さんがファルージャ総合病院に一か月間も寝泊りして
現地実態調査を行ったということに対して敬意を表します。
あれだけのバッシングを浴びたにもかかわらず、
ファルージャ現地で、本当に焦点を当てるべき、
本当に必要なことに取り組んでいることに敬意を表します。
10年が経って米軍がイラクに残した大量の難民と奇形児やガンの異常発生
http://democracynow.jp/dailynews/2013-03-20
Ten Years Later, U.S. Has Left Iraq with Mass Displacement & Epidemic of Birth Defects, Cancers
http://www.democracynow.org/2013/3/20/ten_years_later_us_has_left
<参照>
ファルージャで何が起きているのか / ファルージャの子供達の悲劇:Tragedy of Children in Fallujah
http://ima-ikiteiruhushigi.cocolog-nifty.com/iraq/2009/10/post-5e20.html