【フランス革命】旧制度と革命の始まり
フランス革命
旧制度のフランス。
絶対王政下のフランスは、アンシャン・レジーム(旧制度)とよばれる身分制度の社会で、3つの身分に分かれていた。そのうち、第一身分(聖職者)・第二身分(貴族)は多くの特権を持っていた。しかし、第三身分(平民)は政治的権利を与えられることなく重い税の負担に苦しみ、低い社会的地位に不満を持っていた。
革命の始まりと流れ。
フランスは他国との戦争やアメリカの独立革命への支援などで深刻な財政難になっていた。このため、国王ルイ16世は特権身分へ課税しようとした。しかし、貴族らはこれに反対し、三部会(第一身分・第二身分・第三身分の代表からなる身分制議会)を開くように要求した。
1789年5月、三部会が開かれると、特権身分と第三身分が議決方法をめぐって対立した。第三身分と一部の貴族は三部会を脱退して国民議会をつくり、憲法制定まで国民議会を解散しないと誓った(球戯場「テニスコート」の誓い)。こうした動きをおそれたルイ16世は、武力で議会を抑えようとした。そのため、パリ市民は絶対王政の象徴で政治犯などが捕まっていたバスティーユ牢獄を襲った。続いてフランス各地で農民暴動がおき、ここにフランス革命(1789〜1799年)が始まった。
1789年8月には、国民議会のラ・ファイエットらによって人権宣言が出され、自由と平等、国民主権などを明らかにした。人権宣言には、アメリカ独立宣言やルソーの思想的影響が見られ、その後、多くの近代国家憲法に影響を与えた。
1791年、立法議会が成立し、革命の広がりをおそれるオーストリアやプロイセン(ドイツ)との間に戦争がおこった。フランス国内では1792年に王政(君主政)が廃止され、国家に王をおかない共和政国家となった(第一共和政、1792〜1804年)。しかし、議会内で対立がおこり、ロベスピエールが独裁政治(個人が権利を独占して行う政治)を行うなど、ナポレオンの登場まで混乱した状態が続いた。
via:ハイレベル 総合科目