【喜劇 チャップリン】モダン・タイムス『ティティナ』未公開シーン
チャップリンの1936年公開作品『モダン・タイムス』。
サイレント映画の牙城を守り、この当時でもサウンド版に拘っていたチャップリンが、初めてその肉声をしかも歌声で聞かせる、このクライマックス。
しかし、フランスの曲『ティティナ』のメロディーに乗って聞こえて来るのは、チャップリン独特のデタラメ語。主にロマンス語派のヨーロッパ言語 (フランス語、スペイン語等) 風の言葉が、断片的に聞いて取れます。
街で出逢った「可愛い娘と太っちょおじさん」が繰り広げる、束の間の逢瀬を、十八番の見事なパントマイムで演じるチャップリン。公開版では、娘さんが手を振って別れるシーンで終了して楽屋に引っ込んでいますが、BGMが唐突に中途半端な終わり方をして変わったのには、ずっと違和感がありました。
実はそれは、このシーンがカットされていたからでした。おそらく、「おじさんから (買って?) 貰った指輪を質屋に持って行って診てもらったところ、『こんなものは話にならん』と突き返されて大ショック」という内容だと思われます。