ツタンカーメン王の「ひげ」修復始まる
ツタンカーメン王の「ひげ」修復始まる
エジプトで博物館の清掃中に「ひげ」が取れてしまった古代エジプト・ツタンカーメン王の黄金のマスクを修復する作業が始まりました。
修復が行われているのは、1922年にエジプト南部ルクソールの「王家の谷」で、ツタンカーメン王のミイラとともに発見された黄金のマスクです。
首都カイロのエジプト考古学博物館に展示されていましたが、去年8月、博物館員が展示ケースを清掃していた際に誤って、およそ2.5キロあるあごひげの部分が取れてしまいました。
博物館員たちは、接着剤を使ってひげをくっつけ、大失態を隠そうとしましたが接着剤がはみ出ていたため、ことし1月に発覚して大騒ぎとなっていました。
20日に始まったやり直しの修復作業は報道陣に公開され、ドイツ人で文化財修復の専門家のクリスティアン・エックマン氏がひげの付け根の周辺に付着した白っぽい接着剤を先のとがった細い木の棒で慎重に削り取っていました。
エックマン氏は会見で、今後の作業工程について「表面と中の接着剤を取り除き、ひげを外したあとで、適切に取り付け直すための新しい方法を考える」と説明しました。
博物館を訪れていた市民は、「国の歴史と文化を象徴する文化財なので、もっと大事にするべきだ」と話していました。
マスクの修復は年内には終わる見通しだということで、来年はまた、博物館の顔として観光客を楽しませてくれそうです。