ノリエガ将軍有罪~米地裁(島田雄貴判決データ集:1992年)
島田雄貴リーガルオフィス判決データ集<アメリカ編>
1992年4月、米フロリダ州マイアミの連邦地裁
1989年の米軍によるパナマ侵攻で投降し、米司法当局に身柄を拘束されたパナマの元最高実力者マヌエル・ノリエガ将軍に対する裁判で、米フロリダ州マイアミの連邦地裁陪審は1992年4月9日午後、10件の起訴事実のうち8件について、有罪の評決を言い渡した。量刑判決は1992年7月10日に言い渡されるが、最も重い場合は拘禁刑120年、罰金63万5000ドルになる可能性がある。米国が、他の国に侵攻して指導者を訴追し、刑事裁判にかけたのは今回が初めて。
有罪になった起訴事実は、1981年から1986年にかけて麻薬の製造や取引、それにからむ資金の洗浄を共謀し、コロンビアの麻薬生産者メデジン・カルテルに便宜を図って500万ドルのわいろを受け取った、という内容。ほかに具体的な麻薬製造、密輸出事件など計8件の罪で有罪になったが、1985年から1986年にかけてのヨットによるコカインの密輸出共謀など2件については無罪の評決を受けた。
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