戦時下の京都帝国大学(ミニ講義 第15回 2012.11.20)
講義概要:
戦時下の大学をめぐる重要なトピックとしてまず思い浮かべがちなのは、京大滝川事件・天皇機関説事件のように「学問の自由」「大学の自治」を脅かした諸事件や、学徒出陣です。もとより、これらは重要な出来事です。ただし、もしも「戦争により逼塞させられた学問」「沈滞したキャンパス」というイメージをそこから導き出してしまうとしたら、それは一面的な歴史像ということになってしまうかもしれません。「戦争景気」という言葉がありますが、大学という空間もまた戦争のもたらす興奮の中である種の「バブル」に沸き立っていた側面もあるのではないでしょうか。戦時下の『京都帝国大学新聞』などの資料を提示しながら、考えてみたいと思います。
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講師プロフィール:こまごめ たけしbr / 1962年生まれ、1984年東京大学教育学部卒業、同大学院教育学研究科進学、1991年博士後期課程単位取得退学。92年お茶の水女子大学文教育学部講師、1994年同助教授、1999年京都大学大学院教育学研究科助教授、同准教授を経て、2012年より同教授。専門は教育史、特に日本植民地支配下台湾の教育史。2010年京