月与志のカルチャー夜話 第百十二夜 〜闘う魔法少女 オールドスクールアニメDig-6:その3
日本のサブカルチャーの一大ジャンル「魔法少女」を深堀りする最終章は、90年代以降に生まれた新しい潮流「闘う魔法少女」を取り上げました。
古き良き昭和の魔法少女(魔女っこ)たちは、少女の夢を体現する存在でした。
1993年に社会現象的なブームを巻き起こした「セーラームン」以降、戦隊モノの要素を取り入れた魔法少女がスタンダードになり、そこには、日本社会の変化、女性の社会進出や意識の変化が関係しているのではないかと考え検証してみました。
【闘う魔法少女 その1】https://youtu.be/iWrJ8Vnzqxg
一ヶ月ぶりの放送・ラブライブ三国志〜最終回/無彩限のファントム・ワールド・残念知識/薬師寺〜仏教と刀・オルフェンズとユニコーン/真田丸縁の地めぐり・宇陀の又兵衛桜・伏見桃山城・天守閣のあるお城のお話し・伏見街案内/エキスポシティとニフレル・ガンダムカフェ/真田丸・墨絵上田城の戦い
【闘う魔法少女 その2】https://youtu.be/2htC5xOSad0
魔法少女の復習・総ふりかえり・日本のカワイイはオッサンが作っている/魔法使いサリー・ひみつのアッコちゃん・魔法のマコちゃん・魔法使いチャッピー・ミラクル少女リミットちゃん・魔女っ子チックル・魔女っ子メグちゃん・花の子ルンルン・魔法少女ララベル・魔法のプリンセスミンキーモモ・魔法の天使クリィミーマミ・魔法の妖精ペルシャ・魔法のスターマジカルエミ・魔法のアイドルパステルユーミ・魔法のステージファンシーララ・エスパー魔美・魔女の宅急便・コメットさん
【闘う魔法少女 その3】https://youtu.be/q5dKB0HDcSk
闘う魔法少女と女性を取り巻く社会の変化/ラセーヌの星・特撮ヒロイン・アンドロ仮面〜好き! すき!! 魔女先生・東映不思議コメディーシリーズ/魔法少女ちゅうかなぱいぱい!ちゅうかないぱねま!・美少女仮面ポワトリン・花島優子さん・不思議少女ナイルなトトメス・堀川早苗さん・うたう!大龍宮城・有言実行三姉妹シュシュトリアン・ウルトラマンと夢の共演/美少女戦士セーラームーン・初見の衝撃を語る・月野うさぎ・ガールズヒーローの特長・作り手が女性・悪役がイケメンの理由・セーラー戦士は戦隊ヒーロー・エヴァンゲリオンへの影響・闘う魔法少女が意味するもの/カードキャプターさくら・本格的な魔法設定・表現の記号化/魔法少女まどか☆マギカ
前二回で深めたように、昭和の魔法少女達は、少女の夢や憧れ、変身願望などをかなえるヒロインとして存在しました。
そんな中、特撮シーンで、男の子の定番「特撮ヒーロー」の少女版「闘うヒロイン」が試みられました。
最も早かったのは「好き! すき!! 魔女先生」(1971年)のアンドロ仮面。特撮変身ヒロイン物のさきがけにして草分けとも云うべき存在。アニメでは「ラ・セーヌの星」「キューティーハニー」
そして1989〜93年の特撮番組「東映不思議コメディーシリーズ」で美少女アイドルを起用した闘うヒロインが登場。
魔法少女ちゅうかなぱいぱい!・ちゅうかないぱねま!、美少女仮面ポワトリン、不思議少女ナイルなトトメス、有言実行三姉妹シュシュトリアンなど。
日本社会はバブル絶頂期。流行した「強め」のコスチュームに身を包んだ「闘うヒロイン」が生まれました。
そして奇しくもバブル崩壊の直後、1992年に登場した「美少女戦士セーラームーン」は、明確な敵(悪)と闘う正義のヒロイン像が確立され、広く少女達に浸透しました。
考えてみると、この頃から日本社会の保守的な観念が崩れ、社会は大きく変化しました。特に女性を取り巻く環境は激変したのかもしれません。
夢見がちな少女でよかった昭和と違い、平成の世は、女性も男性と同等に、社会で闘って生きていかねばならなくなりました。
そのような意識の変化が、「闘うヒロイン」を生み、ファンに支持されたのかもしれませんね。