板門店 南北両国の共同警備区域(JSA, Joint Security Area)
板門店は、ソウルの北約80km、京畿道坡州市に隣接する、また平壌の南約215km、開城の南約8キロに位置する朝鮮戦争の停戦ラインである軍事境界線(DMZ-DeMilitarized Zone/「非武装区域」とも)上にある(北緯37度57分22秒東経126度40分37秒)。
なお、板門店の周囲は南北両国の共同警備区域(JSA, Joint Security Area) となっており、韓国軍を中心とした「国連軍」と朝鮮人民軍が境界線を隔てて顔を合わせている。
板門店内には、1953年10月の設置以降、国連軍と朝鮮人民軍の停戦協定に基づく「中立国監視委員会」と「軍事停戦委員会」の本会議場が設置され、停戦協定遵守の監視を行っている。「軍事停戦委員会」本会議場は南側、「中立国監視委員会」は北側の施設となっており、緊急度を4段階(第一級 – 第四級)に分けた会議を開いている。
板門店は、第二次世界大戦後の冷戦下において、南北朝鮮と同じく分裂国家であった東西ドイツ間に置かれた「ベルリンの壁」と並んで、長く「冷戦の象徴」であった。そして、世界のほとんどの地域で冷戦が終結し、さらにベルリンの壁が崩壊したのちにドイツ再統一が成った1990年以降において、世界で唯一「冷戦の最前線」になっている。
また、南北朝鮮両国が過去何度も会談を開いてきたほか、北朝鮮支援物資も板門店を抜けて渡っていくように(現在は、都羅山に南北出入管理事務所と南北直通道路ができたことにより、板門店を経由した物資、人の往来はほとんどない)、対戦状態(休戦中)にある南北朝鮮両国の唯一の接点である。