止まらぬチベット民族の焼身自殺
チベット民族の焼身自殺が相次いでいる中国内陸部では、大勢の武装した警察部隊が配置され、緊張が高まっている。チベット亡命政府によると、チベット民族が多く住む四川省や青海省などでは、宗教活動などをめぐる中国治安当局の弾圧が強まり、抗議と見られる焼身自殺を図った人の数は、この1年で29人に上っている。こうした状況に対し、世界各地で抗議デモが行われているが、中国政府は「焼身自殺はダライ・ラマ14世が扇動した政治的策略」と主張。一方、チベット亡命政府は「中国政府による弾圧など絶望感の果ての抗議行動」として中国政府を非難している。世界第2の経済大国となった中国に重くのしかかる民族問題の現状と今後の行方。