済州の魂たち(チェジュのゴーストたち)
原題:The Ghosts of Jeju (2013)
監督・撮影・編集:レジス・トレンブリー
出演:ブルース・カミング、チャールス・カンレー、ブルース・ギャクナン、オリバー・ストーン
ドキュメンタリー映画『済州の魂たち』は、四・三事件からカンジョン村海軍基地問題まで、米国はもとより祖国韓国からも踏みにじられ続け、それでも決して抵抗を止めなかった済州の人々の闘いの記録である。
朝鮮半島の南端の更に沖合いに、済州島という小さな島がある。「アジアのハワイ」というニックネームを持つこの島は、高級ホテルが林立する韓国を代表するリゾート地である。
しかし、第二次大戦終結後、米国陸軍支配下にあった済州島で、1948年4月3日、朝鮮半島分断に反対する島民が蜂起し、米軍は警察と右翼を動員して鎮圧に当たり、済州の島民数万人を虐殺するという歴史が隠されている。朝鮮戦争(1950~53年)の軍需景気で日本経済が活気を呈していた頃、隣国の済州島カンジョン村ではそんな血なまぐさい四・三事件が繰り広げられていたのだ。
時は移り、その歴史を抱えるカンジョン村に米国海軍基地建設計画が持ち上がったとき、再び島民たちは立ち上がり、激しい抵抗運動を開始した。
貴重な記録映像を駆使したこの映画には、米国の病理を鋭く描く現代の巨匠オリバー・ストーン監督、「朝鮮戦争の起源」著者のブルース・カミングス シカゴ大学教授、ムン・ジョンヒョン神父などがインタビューに答え、カンジョン村問題が、実は米国の問題であるということを鋭く指摘している。