スプリガンとは -民話・神話や伝説の英雄と妖精-
コーンウォールに棲む。自由に姿を変えられるが、主に巨人の姿で現れる。宝の埋蔵地の管理者であり、妖精の護衛役もつとめる。自分の領域に入ってきた人間には危害を与え、また盗みなどの悪さもする。
コーンウォール民話「欲張り爺さんと妖精の祭」R・ハント再話/井村君江訳
セント・ジャストの人々は、満月の晩になると妖精たちが丘の上で饗宴をすることを知っていた。人間が訪ねていくと妖精たちは、快く迎えてくれ、贈り物をくれるという話だった。
ある日、セント・ジャストの町に住む欲張り爺さんが、その噂を耳にして、丘へと出掛けていった。すると妖精たちが現れて、宴会を始めた。老人は目の前に置かれた黄金のテーブルと玉座に目がくらみ、かぶっていた帽子で隠し捕ろうとした。するとその瞬間、口笛の音が鳴り響き、かれは身動きが出来なくなった。スプリガンたちが老人の上で飛び跳ねた後、彼らは姿を消してしまった。あとに残されたのは蜘蛛の糸に覆われた老人だけだった。彼は痛むからだをひきずりながら丘を下ったという。