20140726 「世界はレイシズムとどう向き合ってきたか」 ~地域研究とジャーナリズムの現場から~
http://www.jcas.jp/about/sympo20140726.html
日時: 2014年7月26日(土) 午後1時~午後5時(12時30分開場)
会場: 大阪大学中之島センター10F 佐治敬三メモリアルホール
(大阪市北区中之島4丁目3-53)
プログラム
第1部 世界はレイシズムとどう向き合ってきたか:現場からの報告
◇「ルワンダのジェノサイド:「民族対立」はいかにして作られたのか」
小峯茂嗣(大阪大学GLOCOL)
◇「インドネシア・アチェ:和平後に台頭する排外主義」
佐伯奈津子(早稲田大学アジア研究機構)
◇「コソボ、クルディスタン、イラクの民族・宗教対立」
坂本卓(アジアプレス・インターナショナル)
◇「「反日デモ」から考える中国」
米村耕一(毎日新聞外信部)
第2部 日本はレイシズムとどう向き合うのか:さまざまな立場
コメント
◇金千秋(NPO法人エフエムわぃわぃ)
◇武田肇(朝日新聞大阪社会部)
総合討論
司会
◇西芳実(京都大学地域研究統合情報センター)
◇石丸次郎(アジアプレス・インターナショナル)
第1部報告要旨
◇「ルワンダのジェノサイド:「民族対立」はいかにして作られたのか」(小峯茂嗣)
1994年にルワンダで起きたジェノサイド。約80万人が犠牲になったといわれている。当時は多数派フツと少数派ツチの民族対立により、フツがツチを虐殺したという言説がまかり通っていた。しかしフツとツチは同じ言語を使い、民族間の通婚も盛んだった。エスニックな対立が顕在化した背景としては、80年代の経済危機や国際社会からの民主化の圧力による政権の求心力の低下と、反政府勢力との内戦の勃発がある。このような政治権力をめぐる闘争の過程で、ルワンダの「民族対立」は作られてきたのである。
◇「インドネシア・アチェ:和平後に台頭する排外主義」(佐伯奈津子)
30年以上の内戦が終結して約10年がたつインドネシア・アチェでは、「紛争中のほうがよかった」という声が聞かれるようになった。紛争下では不可視になっていた排外主義が台頭しているためだ。異なる民族、宗教、文化、政治的見解などを背景とする他者と共生できる社会をより平和的だと考えるならば、なぜアチェ和平合意は平和をもたらし得なかったのだろうか。アチェで台頭する排外主義について、その現状と課題について検討する。
◇「コソボ、クルディスタン、イラクの民族・宗教対立」(坂本卓)
コソボ紛争は、セルビア人とアルバニア人が共存してきた村の隣人関係を引き裂いた。クルディタンでは民族抑圧への反発が武力闘争につながった。いまイラクで先鋭化する宗派間の対立は、果て無き憎しみの連鎖に向かおうとしている。国家や政治はときに対立を煽り、コミュニティと人びとが作り上げてきた調和や理性を踏みにじる。人種・民族・宗教の対立の背景はどこにあるのか。相互和解への取り組みから私たちが学ぶべきことは何か。
◇「「反日デモ」から考える中国」(米村耕一)
北京駐在記者として2010年、2012年の反日デモを取材した。昨年春に帰国し、毎日新聞でスタートした「隣人:日中韓」の取材チームに加わっている。2012年のことを振り返ると、北京の一般市民の中には、本気で日中間の武力衝突を予想している人がいた。その後も東シナ海を巡る日中のつばぜり合いは続いている。日中は、将来にわたって衝突を回避できるのだろうか。
入場無料 / 事前登録不要
(定員に達した場合、それ以降のご入場をご遠慮いただくことがあります。)
主催:
地域研究コンソーシアム(JCAS)
アジアプレス・インターナショナル
京都大学地域研究統合情報センター(CIAS)
京都外国語大学京都ラテンアメリカ研究所(IELAK)
調査報道NPOアイ・アジア(IASIA)
大阪大学グローバルコラボレーションセンター(GLOCOL)
共催:
京都大学地域研究統合情報センター共同研究「官公庁や民間企業やマスコミと接合される地域研究の方法論の検討」(代表:立岩礼子)