ザイナブ・ハワ・バングーラ 紛争下の性的暴力担当国連事務総長特別代表 2013.11.19
Zainab Hawa Bangura, Sprecial Representative of the UN Secretary-General on Sexual Violence in Conflict
ザイナブ・ハワ・バングーラ紛争下の性的暴力担当国連事務総長特別代表が会見し、職務の内容やこの問題でのコンゴ民主共和国などでの悲惨な状況を説明した。紛争下の性的暴力は、肉体や精神へ長期にわたり致命的な影響を与えるヘルスケア問題であり、経済活動に支障をきたし、暴力を逃れ周辺国への避難によりその地域の平和や治安も脅かす。究極的には、戦争犯罪であり人権侵害行為にあたる、と述べた。
司会 山岡邦彦 日本記者クラブ企画委員
通訳 大野理恵
日本記者クラブのページ
http://www.jnpc.or.jp/activities/news/report/2013/11/r00026550/
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記者による会見リポート(日本記者クラブ会報2014年1月号に掲載)
国家レベルの取り組みで女性守れ
物腰は柔らかいが、語り口は力強い。現実を変えなければ、という使命感がみなぎっていた。
紛争下での性暴力は、被害者ばかりか地域社会を打ちのめす武器として多用されながら、ほとんど処罰されることがない。受け入れ難い現実だ。その根絶に向け、国連安全保障理事会の決議で設けられた国連事務総長特別代表として来日した。
「何よりも必要なのは、国家レベルでの決意」と言い切る。国が責任を持って取り組まなければ、犯罪として処罰する法整備や司法制度の強化はできないし、被害者をケアする能力も培えない。母国シエラレオネで長年の紛争を生き延び、外相など政府閣僚を務めた経験から生まれた信念だ。
会見では、出会った被害者の痛ましい事例を紹介して、日本の協力と支援を求めた。昨年9月の国連総会演説で「女性が輝く社会」の実現を訴えた安倍首相への期待は大きい。
いわゆる従軍慰安婦問題への見解を尋ねられると、「日本がしかるべき措置をとり、被害に遭った女性への支援が実施されていることを承知している」と述べ、「犯罪が続いている全ての国で、同じことを実現したい」と語った。
企画委員 読売新聞論説委員会特約嘱託
山岡 邦彦