大躍進政策の真実”毛主席の煉獄”
【新唐人日本2011年4月30日付ニュース】ニューヨークタイムズのカメラマン、杜斌さんは香港で、「毛主席の煉獄」を出版。20世紀半ば、毛沢東主導の大躍進政策で数千万人もの死者を出した悲劇を、文字と写真で克明に記しました。
本は、毛沢東の共産党内部での発言、官僚の私的なメモや言動、最近明かされた機密文書、体験者の回顧などを年代順に収録しました。さらに、大躍進政策の頃の宣伝イラストや農民の絵、芸術家の絵画、雑誌や新聞の挿絵、写真なども掲載され、数千万人が餓死した暗黒の時代がここに蘇ります。
これらは、当時の無謀さや独裁者の暴虐を映し出しています。また張戎さんの著作、「知られざる毛沢東物語」によると、大躍進政策の期間、毛沢東は農民を従順に働かせるため、名前を呼ばず、番号を振ったそうです。
NYタイムズ・カメラマン 杜斌さん
「ごく小さなエピソードでも、私は驚き、魂が震えました。というのも毛沢東は…
人の符合――名前を抹殺し、人を道具に変えて、家畜のように使ったからです」
本には、ブラックユーモアともとらえられる、しかし現実の話が載っています。「人民画報」は湖北省のある地域で1ムーあたり18トンの生産性の高い穀物、「衛星」イネを開発したと報道。実際、それは全くのウソでした。
さらに指導者は、人工的な太陽や風で苗の成長を促すようにと群衆に呼び掛けたそうです。田んぼの周りには大きな鏡を田んぼに照らしている人々の姿が見られました。
本にはこんなエピソードも載っています。さきほどのいわゆる生産性の高い作物に、犬の肉のスープを注ぎこんだり、ブドウ糖の注射をしたりしました。また、漢方薬を鋼の製造に使用。酸素や硫黄分の除去に役立つというのです。
狂気とブラックユーモアで始まった大躍進政策は、人々を残酷な悲しみの淵へと追いやります。飢餓が中華の大地を席巻し、毛沢東が呼び掛けた、いわゆる共産主義の理想が瞬く間に崩れ落ちました。
NYタイムズ・カメラマン 杜斌さん
「エピソードを選択する過程で、特につらかったのが、人命が粗末にされたことです。共産党にとって人命は一匹の蟻と変わりません。共産党は人命をなんとも思わないのです」
さらに劉少奇元主席の同郷が首席に書いた手紙も載っています。「劉主席、毎日腹を空かせ、むくんでも口に出せません。口に出したら殴られ、下手すると収容所送りになってしまいます。餓死しても病死としか言えません」
さらにこんな残酷なエピソードもあります。河南省信陽市のある食料倉庫には50万トンあまりの在庫とその年収穫した150万トン、合わせて200万トンの食糧があったのに、誰も奪おうとはせず、ただひたすら政府が配給してくれるのを待っていました。「共産党、毛主席、我々を助けてください」との叫び声が響きわたり、倉庫の傍らで餓死する者すらいたそうです。
人が人を食べる悲劇も各地で発生。本ではこんな文章が見られます。「道端で死んだ人が埋められても、一晩経つと死体が消えていた。一部の地域では、死んだ家族を人に食べられないように、死体が異臭を放つまで、墓を数晩見張ることもあった。他人どころか、自分の家族の死体を食べる人もいた。加熱してあるいは生で、遺体であるいは生きたままで」
「煉獄」の出版はちょうど中国共産党の設立から90年の節目に当たります。そこで北京の書店では、関連書物が次から次へと出版されていますが、どの本も大躍進政策や文化大革命で数千万もの命が奪われた真実にふたをし、歴史が美化しています。一方、杜斌さんの作品、「煉獄」は真実の痛みをありのままに人々の目の前に届けています。
新唐人テレビがお伝えしました。
http://www.ntdtv.com/xtr/gb/2011/04/27/atext523981.html.-【禁闻】《毛主席的炼狱》献给中共90年.html