【修正版】文革のタブー化がもたらす問題【禁聞】20170318
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文化大革命の発動から半世紀が過ぎた今、文革に対する評価は大きく分かれています。米国在住の中国研究者、王康氏は、政府が民間の文革研究や振り返りを制限してきたために多くの新しい問題が起きていると指摘しています。
文革から半世紀経った今、中国国内では文革や文革を発動した毛沢東に対する評価が大きく分かれています。
国内外の多くの研究者が圧力に屈せず、文革を研究し、真相を明らかにするために尽力する一方、毛沢東を信奉する左派が文革を称える現象が起きています。今年1月初め、中国で初めての「文革50周年シンポジウム」が香港の中文大学で行われた際、70歳代位の人が文革と毛沢東を強く弁護し、会場で文革のスローガンを叫ぶなどして騒いだため、退場させられました。
中国研究者の王康氏は、こうした現象が起こるのは政府が民間の文革研究や振り返りを制限してきたためで、多くの新しい問題が起きていると考えています。
米国在住中国研究者 王康氏:「文革は今でも非常に大きなタブーであり、このタブーにより多くの新しい問題が生み出されています。経済面で改革開放政策が取られた後も、政治制度は何ら変わっていません。相変わらずスターリン、毛沢東時代のような共産党一党独裁が続いており、経済面での変化により共産党内の腐敗が益々悪化、社会の風紀が乱れています。これにより『文革時代の方が汚職もなく平等で民主的だった』と倒錯した考えが生まれたのです。今の社会は共産党が資本主義路線を歩み始めた結果である。」
王氏は、共産党の腐敗が新左派や元紅衛兵の老人世代に文革を肯定させていると分析しています。毛沢東が当時文革を発動させたのは党内の資本主義推進派に対抗するためであり、正しいことだったと、彼らは考えていると言います。
米国在住中国研究者 王康氏:「現在党内には資本主義者が増加しており、汚職役人と化しているではないか、それなら毛沢東が文革を発動したのは正しいことだった、と考えているのです。そのため文革の本当の意味を知らず、文革を回顧し称賛する気持ちが強くなっているのです。」
王氏は、文革とは共産党がマルクスの「共産党宣言」に基づき中国の文化を徹底的に破壊した出来事であることを知るべきであると指摘しています。
米国在住中国研究者 王康氏:「マルクスの『共産党宣言』には重要とされる2つの任務が記載されています。1つ目は暴力によって現在の社会制度の一切を破壊することで、これは、戦争を経て、1949年に成し遂げられた。2つ目は伝統的な文化や思想と徹底的に決別しそれらを批判することで、1966年から1976年までの10年間に遂行されました。毛沢東はマルクス主義がどういうものか実際には理解していませんでしたが、文革によって中国を根本的に改造し、破壊しようとしたのです。この思想の元となっているのがマルクスの『共産党宣言』です。」
文革への反省が欠如しているために中国人は恐ろしい問題に直面していると王氏は指摘します。
米国在住中国研究者 王康氏:「文革が中国人に与えた影響は非常に大きく恐ろしいものです。気に入らないことがあればすぐに暴力的手段に出て、罵り倒すというチンピラのような行為が中国では横行しています。共産党のトップたちの言葉もすべて文革時代のチンピラのように乱暴です。若者も、そして民主活動家さえも、この影響を受けています。」
王氏は、中国人が正常な道徳や倫理に立ち返るには、何世代もの長い時間が必要だと考えます。
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