甄氏とは -三国志-
甄氏は袁紹の次男・袁煕の妻で絶世の美女であった。
曹丕は曹操とともに冀州攻略に乗り出していた。
まだ曹丕は18歳であった。
曹丕は袁紹の屋敷に向かった。曹操は屋敷には誰も入らぬよう
下知していたのだが、曹丕はズカズカ奥座敷きまで入ってしまう。
そこには、二人の女が泣いていた。曹丕が聞いて
一人は「袁紹の妻・劉氏」もう一人こそ「延熙の妻・甄氏」
だと知った。後から曹操も到着した。奥座敷きに入った形跡があるので
問いただすと曹丕が入っている事を知った。首を打たせようとしたが、
荀攸、郭嘉の諌めで思いとどまった。劉氏と甄氏が出てきて、
劉氏は曹丕に甄氏を嫁にしてくれと言ったので、曹操もいかにも
ふさわしいと曹丕と甄氏の結婚を許した。
甄氏は後の明帝(曹叡)を産んだ。
曹丕は皇帝になってから、幾人もの妻をとった。
甄氏は真面目すぎたので曹丕は面白くなかったようだ。
曹丕は郭永の娘・郭貴妃に寵愛はうつっていたのだ。
曹丕が病にかかっていたある日、張韜は木彫りの人形を
持って曹丕に報告した。
「甄夫人のお部屋からこのような人形を発見しました」
人形は曹丕を呪うための道具だったのである。
怒った曹丕は甄夫人に死を命じたのである。
一説には、甄夫人は恨み言を言った。その事が曹丕の
耳に入った。怒った曹丕は使者を遣わせ彼女を
殺したと言う。
甄氏の死については次の郭貴妃の陰謀もあったからである。