[JP NEWS] 「エルサレムは首都」宣言、パレスチナなど激しく反発
00:06 「エルサレムは首都」宣言、パレスチナなど激しく反発
アメリカのトランプ大統領は、中東のエルサレムを「イスラエルの首都」と認定し、テルアビブにある大使館を移転することを正式に発表しました。中東諸国だけでなく、ヨーロッパからも非難の声が一斉に上がっています。
「エルサレムをイスラエルの首都と正式に認定する時がきたと決断した」(アメリカ トランプ大統領)
トランプ大統領は6日、こう宣言したうえで、テルアビブにある大使館をエルサレムに移転する計画を国務省に指示したと正式に発表しました。トランプ氏は、「イスラエルとパレスチナ双方が受け入れ可能な和平合意の促進に引き続き取り組む」としましたが、アメリカがこれまで担ってきた中東和平の仲介役を務めるのはもはや困難となる決断です。
「過去の大統領たちがこれを選挙戦の大きな約束にしたが果たせなかった。きょう、私は実行している」(アメリカ トランプ大統領)
このトランプ氏の発表は現地でも生中継されていました。
「今まさにトランプ大統領の演説が行われているところですけれども、みなさん熱心に演説に聞き入っています」(記者)
水たばこが煙る東エルサレムのパレスチナ系住民が集うカフェ。発表を聞いた人々は怒りをあらわにしました。
「私はとても怒っています。トランプ氏があんなことを言うなんて」(エルサレムのパレスチナ系住民)
「トランプはパレスチナの敵だ。ここは我々の土地だ」(エルサレムのパレスチナ系住民)
パレスチナ自治政府のアッバス議長は、「トランプ大統領は中東和平の仲介者としての役割を放棄したに等しい」と強く批判しました。パレスチナ側は6日からの3日間を「怒りの日」とし、各地で抗議活動を始めています。
その一方で、イスラエルのネタニヤフ首相はトランプ氏に感謝を伝え、こう述べました。
「きょうは歴史的な日です。エルサレムは3000年もの間、ユダヤ人の首都であり、70年近くイスラエルの首都であったのです」(イスラエル ネタニヤフ首相)
さらに、「アメリカに続きエルサレムを首都と認定し、大使館を移してほしい」と全ての国に呼びかけたのです。しかし、国際社会からは非難の声が相次ぎました。
「私はトランプ大統領とこの問題について話すつもりだ」(イギリス メイ首相)
フランスのマクロン大統領、ドイツのメルケル首相も相次いでトランプ大統領の決定を「支持しない」と発表。
「隣り合って平和に相互理解のなかで生活するためには、エルサレムはイスラエルとパレスチナどちらの首都でもあるとの考え以外ありえない」(国連 グテーレス事務総長)
国連の安全保障理事会は日本時間の9日未明に緊急会合の開催を決めました。トランプ氏による中東政策の大転換は、どのような影響を及ぼすのでしょうか?
「アメリカがこのスタンスをとり続けるかぎり、和平は絶望的」(東京外国語大学 アジア・アフリカ言語文化研究所 黒木英充教授)
中東和平は遠のき、アメリカへの怒りが中東地域の不安定化を招くと専門家は指摘します。
「(アメリカへの)怒りの感情が社会の一部の人を刺激し、暴力的状況を引き起こす可能性が高くなっている。間違いなく危険な状況を招いていると思います」(東京外国語大学 アジア・アフリカ言語文化研究所 黒木英充教授)
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04:07 河野外相「中東情勢悪化」と初めて懸念示す
アメリカのトランプ大統領が中東のエルサレムを「イスラエルの首都と認定する」と宣言したことについて、河野外務大臣は「中東情勢の悪化や中東和平状況が厳しさを増す懸念がある」と指摘しました。政府として「懸念」を示したのは初めてです。
「今回の、この事を受けて、中東全体の情勢が悪化しうる、あるいは中東和平をめぐる状況が厳しさを増すという懸念があるので、この件の動向については注視していきたい」(河野太郎 外相)
河野大臣は7日、記者団に対し、トランプ大統領が発表の中で『恒久的な中東和平合意促進への強固なコミットメント』と『イスラエルとパレスチナの間の紛争の2国家での解決への支持』を表明したことについて、「評価している」と述べましたが、続けて「この発表を契機に今後の中東和平をめぐる状況が厳しさを増したり、中東全体の情勢が悪化しうることを懸念している」と指摘しました。政府が「懸念」を示したのは初めてです。
また、河野氏はイスラエルのテルアビブにある日本大使館について「移転するつもりはない」と表明しました。
一方、河野氏はアメリカ側から事前の説明があったかは明言を避けたほか、今回の決定が大統領の選挙公約を果たすための国内向けのものとの指摘があることについては、「アメリカ政府内の決定プロセスについてコメントするのは差し控えたい」としています。
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05:36 五輪マスコット3案、決定までの舞台裏に密着
2020年の東京オリンピック・パラリンピックで大会の顔となるマスコット。最終候補3案が7日、発表されました。
候補「ア」は、エンブレムに使われる市松模様が特徴です。「イ」は、招き猫と神社のキツネ、狛犬がモデルになっています。「ウ」は、日本昔話に出てくるキツネと化けるタヌキです。小学生の投票で「最後の1案」が決まるという初の試み。7日のお披露目までの舞台裏に密着しました。
「ここが組織委員会の中でも特別な人間しか入れない部屋になっています。ちょっとお待ちください」(東京2020組織委員会 戦略広報課 井戸愛係長)
発表を3日後に控え、準備に追われる大会組織委員会。この部屋だけは施錠され、特にセキュリティーが厳しいのには理由があります。公募で集まった2000点を超える作品がすべてこの部屋で管理されているからです。万が一、作品の情報が漏れた場合、商標権などを他人に抑えられてしまう可能性があり、選考がすべてやり直しになるため、セキュリティーに神経をとがらせているのです。
大会マスコットは、全国の小学校、およそ28万あるクラス単位の投票で決まります。このため、ポスター1つとっても子どもの目にどう映るか、言葉や色などに特に気を配ってきました。
「A・B・C、1・2・3は、やはりどれがすぐれているか想起させやすいので、公平に投票できないので、ア・イ・ウというふうに」(東京2020組織委員会 ブランド開発チーム 田中盛朗係長)
大会マスコットが一般投票、ましてや子どもたちの投票で選ばれるのは初めてのこと。こうした「開かれた選考」を行うのは過去の苦い経験があったからです。デザインや選考プロセスに問題があると指摘され、異例の選び直しに発展したエンブレム騒動。同じ事態になることをなんとしても避けるため、組織委員会はマスコットを一般から公募。審査に専門家を加えたほか、会議の一部をインターネット公開するなど、プロセスすべてに「第三者」を入れたのです。
発表9日前の都内のスタジオ。小学生に分かりやすくするため、紹介ビデオのナレーターに細かな指示が飛びます。
「やっぱり『物を』のところが『もおお』って感じになってしまっているので、『物を』でいただけたらありがたいです」(担当者)
大会の顔として毎回活躍するマスコット。しかし、過去の大会では、リオや北京のマスコットが人気を集めたのに対して、ロンドンの「ウェンロック」は子どもたちが怖がり、人気が集まらないなど、どのマスコットになるかは気運醸成に大きく影響します。
また、関連グッズの売り上げは、およそ140億円と見込まれるライセンス収入の大部分を占め、マスコット選考は組織委員会にとって失敗の許されないプロジェクトなのです。
「この子がかわいい」
「結構『ア』が人気」
「僕は『ウ』の作品がすごく気に入って」
「いつも大人が決めているので、子どもが選ぶというのは光栄」
関係者の話では、3案ともキャラクターデザイン業界で地道にキャリアを積んできたデザイナーの作品ということですが、子どもたちが選ぶのは果たしてどのマスコットなのか。投票は来週11日から行われ、来年2月28日に発表されます。
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09:33 サル、東京・港区に現る
東京都心などで相次いで目撃されているサル。7日は東京・港区に現れました。
配管の脇を走り抜けるサル。7日午後2時ごろ、東京・港区で捉えられた映像です。カメラマンが必死で追いかけます。サルは工事現場に移動。警察も駆けつけましたが・・・。その後、行方はわからず。
サルは午前中にも目撃されていました。
「港区の港南の都営住宅です。3階中庭のベランダの手すりにサルが座っていたのをアパートの住人が目撃しました」(記者)
「あそこのベランダの手すり、座っていました」(サルを目撃した住民)
Q.どんなサル?
「きれいな、かわいい。こっちを見てました」
港区は住民に対し、戸締まりをするよう注意を呼びかけています。
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10:41 オフィスでドローンが自動飛行、社員の残業をチェック
オフィスの中でドローン? いったい何をしているのでしょうか?
7日、ベンチャー企業や警備会社などが発表したドローンを使った新たなサービス。
「ドローンが飛ぶのは勤務時間が終わった後のオフィスの中です。残業している社員がいないか見回りを行います」(記者)
ドローンが飛んでいるのは社員の「居残り残業」を監視するためです。終業時刻をすぎると、ドローンが自動的に離陸し、人の手を借りずオフィス内を定期的に飛行。オフィスの画像を撮影し、管理者が映像を確認できます。働き方改革の一環で社員の残業を減らしたい会社に売り込んでいきたいとしていますが、監視カメラでは駄目なのでしょうか?
「ドローンの音と威圧感で、『早く帰って下さい』と人が言うよりも、ドローンの方が退社を促せる」(大成株式会社 加藤憲博専務取締役)
実際に働く人に聞いてみると・・・。
「うざったい」(街の人)
「嫌やな。監視されているのも嫌」(街の人)
プレッシャーを与え、だらだらと仕事をする人に帰宅を促す効果はありそうです。ただ、「仕事量自体が減らないと意味がない」という声も。
「(仕事が)終わらないです。でも仕事を持ち帰ることはできないので、土日に会社に来ている人もいる」(街の人)
ある調査では、自宅や喫茶店などへの「持ち帰り残業」をしたことがあると答えた人が3割にも上ります。ドローンに頼るだけではなく、どこまで残業を減らせるのか、企業の取り組みが問われています。