金の木と銀の木 -民話・神話や伝説の英雄と妖精-
多くの民話や童話に登場する「継母の娘いびり」。でも、ケルト版「白雪姫」で娘を殺そうとしたのは実の母だった…。
ケルト民話「金の木と銀の木」J・ジェイコブズ編
昔あるところに「銀の木」という名前の妃と、「金の木」という名前の娘を持つ王様がいた。ある日、銀の木が井戸の中の一匹のマスに尋ねた。「かわいいマスや、世界で一番美しいのは?」マスは答えた。「そりゃあ、あなたの娘の金の木です。」その夜、銀の木は病気のふりをして王に言った。「娘の金の木の心臓と肝臓を食べればよくなります。」王は銀の木に雄山羊の心臓と肝臓を食べさせて、娘を王子と一緒に外国に逃がしたが、それを知った銀の木は金の木を探し出して毒針で彼女の小指を刺した。すると毒の力で金の木の心臓は止まってしまう。
金の木の死を悲しんだ王子は、後妻をもらってからも側に彼女の遺体を置いていたのだが、ある日2人目の妻が金の木の指から毒針を抜くと…金の木は息を吹き返した。そうして目出たくその後は3人で楽しく平和に暮らした。
一方、銀の木は…自分の作った毒を飲まされて死んでしまった。
映画作品としては、ディズニーのアニメ「白雪姫~Snow White and the Seven Dwars」があり、これによって”七人の小人”のキャラクターは子供から大人まで親しまれている。一方、1997年に製作された「スノーホワイト」も童話「白雪姫」を基に作られているのだが、こちらはおとぎ話というよりもずっと残酷な物語になっていて、より民話に近い仕上がりになっている。