ノアの箱舟とは&ノアの箱舟について
地上が人であふれ、人々はみな悪いことばかり考えていたことに神様は嘆いた。そして地上の生物を創ったことを後悔し、一度全て殺すことを決心した。しかしアダムの直系の子孫であるノアとその家族は神様の教えを遵守し善良だったので、生き残らせることにした。神様はノアに大きな箱舟を作らせ、地上の全ての生物を一組ずつその箱舟にのせた。そして大雨を降らせ洪水を起こし、地上を洗い流した。雨がやみしばらくたったのち、ノアは大地から水が引いたか調べるため、箱舟からハトを放った。一度目はハトはとまる木を見つけることができず箱舟に戻ったが、再度ハトを放つと今度はオリーブの葉をくわえて戻ってきた。さらにもう一度放つと、ハトは戻ってこなかった。そしてノアは再び大地に降り立ち、神様をまつった。神様はノアに向かい、「もう二度と、このように大地を呪い、全ての生き物を殺そうとすることはないだろう」と言った。
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ノアの箱舟は、すごく有名なエピソードだと思います。聖書の中で一番メジャーなのではないでしょうか。でも神様って案外全知全能じゃないみたいですね。「自分が創ったものが悪く育ったから壊してみた」って随分あんまりなエピソードだと思います。人権擁護団体が怒らないのが不思議なぐらいです。
全世界の神話・民間伝承の多くに、洪水伝説というのがあります。「昔々、大きな洪水がありました。その時神のご加護で人間の始祖が生き残りました」って感じのものです。昔の人々は、非日常の出来事である大洪水を説明しようとして、神のうんぬんかんぬんとごまかしたのかもしれません。旧約聖書の場合、洪水を神の怒りと位置づけ、神の力の偉大さをアピールしたのでしょう。
あと、なぜ人間が浄化されたのかも謎です。「悪」とはなんなのか一概には定義できませんが、現在でも利己的じゃない人間なんていない気がします。利己的であることが悪でないのであれば、良識がないことを悪と呼ぶのでしょうか。まあ、悪とは悪いことなんだろうけど。「悪がはびこったからとりあえず成敗した」というのは、僕にとってどうも好きになれない深みのないエピソードです。一番納得いかないことに、雨じゃ魚は死なないじゃないかっていうのがあるんですけどね(笑) 砂漠で生まれたお話だからしょうがないのかもしれませんが。