トドメス3世の一生・生涯・人生
トドメス3世の一生・生涯・人生
近隣の征服に乗り出したエジプトのファラオの中では最も偉大な存在と言ってよいトトメス3世は、エジプトの新しい総合戦略を確立するうえで、他のいかなるファラオにもまして大きな功績をあげました。 トトメス3世の未成年期に摂政を勤めた女王ハトシェプスト(在位BC1473~1458年)はひたすら内政だけに関心を向けたので、エジプトの北東国境はカデシュ王の指揮するパレスチナ諸国(カナン)連合軍に脅かされてしまいます。紀元前1458年に即位したトトメス3世はすぐに全軍を率いて危険な北東国境に出征し、「メギドの戦い」でカデシュ王を破り、メギドの町を攻略することに成功しました。トトメス3世はその治世のあいだに15回もシリア、パレスチナへ遠征します。これに匹敵する偉業を成し遂げたのは後のラムセス2世(在位BC1290~1224年)だけでした。