エドワード3世の一生・生涯・人生
世界史で活躍したエドワード3世の一生・生涯・人生
エドワード3世(1312年~1377年)
父王エドワード2世が廃位されたことでイングランド王に即位したエドワード3世は、1330年に母后イザベラから政権を奪って親政を開始します。この頃、フランスのカペー王朝に男系の相続人がいなくなったことから、エドワード3世が母方の親戚関係を根拠にフランス王位継承権を主張して、フランスの新しい王であるフィリップ6世に宣戦を布告しました。 エドワード3世の軍勢は1346年7月11日にポーツマスを出航、翌日ノルマンディに上陸します。カーンを制圧して東に向かうとパリにまで迫りますが、パリ周辺に集結していたフランス軍を避けて北方に進路を変え、ブーローニュの海岸をめざしました。途中のソンム川を越えたところで追跡してきたフランス軍を迎え撃ちます。この「クレーシーの戦い」でイングランド軍はフランス軍を壊滅させ、その後の戦いも概ねイングランド側優勢で推移しますが、活躍していたエドワード3世の長子エドワード黒太子(ブラック・プリンス)が戦地で病に倒れ、帰国後に死去すると戦況は悪化しました。エドワード3世自身もフランスとの戦いに関心を示さなくなり、遂にはイングランドの内政からも手を引いてしまいます。ただの傍観者となったイングランド王は次第に支持者を失って、全くの孤独のうちに死去しました。彼の起こしたフランスとの戦争は、116年間にわたって断続的な戦闘が繰り返されることになり、後世には「百年戦争」と呼ばれるようになります。