メディナ・シドニアの一生・生涯・人生
世界史で活躍したメディナ・シドニアの一生・生涯・人生
穏やかな性格で野心など全くないシドニアが、スペイン艦隊の最高司令官に選ばれた理由は、単に彼がスペインの大貴族として社会的地位が高かったからでした。とうてい司令官の器ではないシドニアは、スペイン王フェリペ2世に自らその旨を書き送ります。「私にはこの仕事はまったく理解できませんし、また、それについて何の知識ももっておりません。」このように自分の無力を認めるシドニアを、スペイン王は無理やり最高司令官に任命し、部下から全く信頼されていないフロレス・デ・バルデスを参謀本部長に選びました。 1588年7月、イングランド艦隊との戦闘で苦境に立っていたシドニアは、彼の旗艦の側を通過していく船の甲板上に勇敢な指揮官オケンドを見つけると思わず叫んでしまいます「これから我々はどうしよう?もう何もかもおしまいだ!」。これは最高司令官が言うべき言葉ではなく、あきれたオケンドは次のように答えました。「私は最後まで戦いますよ、男らしく死にます。」 結局、シドニアがスペインにできた唯一の貢献は、5百万枚のマラベディー銅貨の寄付だけでした。