ヴァレンシュタインの一生・生涯・人生
世界史で活躍したヴァレンシュタインの一生・生涯・人生
ヴァレンシュタイン(1583年~1634年)1
ボヘミヤの新教徒貴族の家に生まれ13歳で孤児となったヴァレンシュタインは、傭兵隊長としてオーストリア大公フェルディナント2世に仕えるようになります。当初はヴェネチア軍と戦い、三十年戦争が始まると1625年に皇帝軍の総司令官となります。ヴァレンシュタインの軍隊は最初2万名でしたが、進軍とともに兵力を増していきます。当初の彼は、兵士の掠奪を認めず征服した土地に貢納金品を命じて、それを兵士たちに給与していましたが、軍隊が大きくなってくると兵士の掠奪も認めるしかありませんでした。不敗の彼のもとで戦えば掠奪給与は確実なので、兵士たちは喜んで戦闘に参加します。 ヴァレンシュタインはデンマーク軍を破って1628年にメクレンブルク公になりますが、今や10万名に膨れ上った大兵力を養うために容赦のない貢納金の取り立てや掠奪を繰り返して、同盟カトリック諸候や教会から怒りをかい、皇帝軍総司令官を罷免されてしまいます(1630年)。 スウェーデン軍の侵攻が開始されて戦況が悪化すると1632年に再び皇帝軍総司令官となり、「リユッツェンの戦い」でグスタフ・アドルフ率いるスウェーデン軍と戦います。この戦いでグスタフを戦死させましたが、戦闘では敗北してしまい、その後は敵主力との対決を避けて、カトリック連盟軍とベルンハルト指揮のスウェーデン軍との衝突を傍観する姿勢をとりました。こうしたヴァレンシュタインの行動は反カトリック的だとして密かに皇帝軍総司令官を罷免され、皇帝派の将校により暗殺されてしまいます。