フィリップ6世の一生・生涯・人生
世界史で活躍したフィリップ6世の一生・生涯・人生
フィリップ6世(1293年~1350年)
フランス王シャルル4世の死後に妊娠中であった皇后が王女を生んだため、従弟であるフィリップ6世がフランス王に即位してヴァロア王朝を開きました。この時にイングランド王エドワード3世からフランスの王位継承権を要求されてイングランドと戦争状態に入り、1346年の「クレーシーの戦い」で完敗してしまいます。国王によって編成されたイングランド軍は、国王から装備と給料をもらって戦う歩兵主体の軍隊でしたが、フランス軍は封建的な軍役奉仕に依存する、騎士中心の軍隊でした。騎士たちは戦闘の直前に召集され、しかも長くひきとめておくことは出来ません。国王直属の歩兵隊やジェノア人の傭兵隊もいましたが、誇り高い騎士たちは身分階級的な偏見から彼等と協調して戦うことを拒み、伝統的な戦法である正面からの突撃に固執したのです。このような騎士たちを中心とする軍隊は、フィリップ6世に勝利をもたらす戦力とはなりえなかったのでした。戦費調達のために塩税を課したり、質の悪い貨幣を鋳造したりしたフィリップ6世は、フランス国民から極めて悪い評判を受けることになります。