リチャード一世の一生・生涯・人生
世界史で活躍したリチャード一世の一生・生涯・人生
リチャード一世(1157年~1199年)
「ライオンハート(獅子心王)」と呼ばれたリチャード1世は、1189年、イングランド王になるとすぐに第3回十字軍に参加します。1191年、要港アッコンを陥落させた彼は、賠償金の支払いが遅いという理由で、降伏した敵兵2千7百名の首をはねました。これを知ったイスラム軍の司令官サラディンは声をあげて泣いたといいます。 リチャードが王位についていた10年間のうちイングランドで過ごしたのは約半年間で、それも十字軍遠征の費用の調達に要した4ヶ月間と遠征からの帰還途中に捕虜となってしまった自分の身代金を用意するために滞在した3ヶ月間だけでした。戦費と身代金の他にも父王ヘンリーがフランス王に約束した賠償金の支払いもあって、リチャードの金策は並のものではありませんでした。領地、爵位、役職、城、町、等々あらゆるものが売りに出されます。「ロンドンだって売るぞ、適当な買手がいるならな!」と彼は言いました。十字軍の理想に燃えるリチャードは、有能な軍人によくある無頓着な性格で、どことなく間の抜けたところがあったのです。 1198年の冬、フランスにあるイングランド領リモージュの近くに住む農夫が古代の財宝を掘り当て、土地の領主がそれを不当に着服したという噂がひろがります。これを聞いて怒ったリチャードは、次の年の春に領主の城を攻めるために出陣しました。その戦場で鎧もつけずにのんびりとパトロールに出かけたリチャードはいしゆみで狙撃されてしまい、肩を矢で射抜かれます。この傷が悪化したため10日後に獅子心王リチャードは41歳で息を引き取りました。