ティムールの一生・生涯・人生
世界史で活躍した偉人ティムールの一生・生涯・人生
ティムール(1336年~1405年)
モンゴルの血をひくティムールは少年時代を貧しく過ごしましたが、しだいに持ち前の指導力を発揮して、 馬で狩りに興じる若者たちのリーダー的な存在となります。その頃のモンゴル帝国は危機に瀕しており、 中央アジアのチャガタイ・ハン国も東西に分裂して、遊牧部族の族長(アミール)達が権力闘争を繰り広げていました。バルラス部とキシュ地方のアミールとなったティムールは、中央アジア西部のマワランナフル(トランスオキシアナ)を統一すると30年以上の年月をかけて、東は天山地方から西はアナトリア西端まで、北はボルガ川中流域から南はデリーに至る広大な帝国をつくりあげます。彼の征服は、情け容赦の無い破壊活動で進められ、生首で塔を建てるなどの残虐な行為は特に有名になりました。ティムールはトルコ系のイスラム教徒であり、文盲ながらもトルコ語とペルシャ語を自由に話し、歴史についての知識はかなりのものであったと伝えられています。1404年、ティムールの軍勢は中国の明朝を攻めるためにタシュケントへ向かう途中、例年にない厳しい冬の寒波に襲われました。もうすぐ70歳というティムールの体はこの寒さに耐えられず、暖をとるために酒ばかり飲み続けて胃腸をこわし、高熱を出して倒れてしまいます。無理を続けていたために弱っていた彼の体が回復することはなく、雪に埋もれたオトラルの中でティムールは息を引き取りました。