ヴォーバンの一生・生涯・人生
世界史で活躍したヴォーバンの一生・生涯・人生
ヴォーバン(1633年~1707年)
田舎の貧乏貴族に生まれ、孤児となって不遇な少年期を過ごしたヴォーバンは、卓越した才能でしだいに出世していき、1655年にはフランス王ルイ14世のもとで技師として働くようになりました。 要塞の構築と修復が専門ですが、要塞の攻囲戦にも才能を発揮し、「ヴォーバンが攻囲した町は必ず落ち、 ヴォーバンが要塞を築いた町は絶対に落ちない」といわれています。 ヴォーバンの築城術は「第3方式」で確立され、1706年、ライン川の左岸で完成したヌフ・ブリザック要塞だけでこの方式が用いられました。ヴォーバンによる攻囲戦の特徴は、攻城部隊の主力を掩護するために「対壕」や「騎兵式胸壁」などの臨時防御施設を構築し、同時に抗道戦も行って主攻城作戦を掩護しました。攻囲戦は彼によって初めてシステム化されたといわれています。 晩年のヴォーバンは人民の貧困に興味を持ち、生活水準や租税負担を研究して、下層民に特に税負担が大きいことに気づきます。彼は、税負担の平等を要求するため「王室の10分の1税」という本を書きますが、 これによって機嫌を損ねたルイ14世は、ヴォーバンの著作「王室の10分の1税」を焼き捨てるように命じました。